100ヤード以内のショットは、スコアメイクするうえでキーポイントになるが、当然、高いスキルも要求される。そんな大事なショットのコツを、宮里美香プロが伝授する。
宮里プロはボールのライが良好である限り、「距離の打ち分けは簡単」だと言う。しかし、アマチュアゴルファーはフェアウェイのグリーン手前、残り100ヤードを切っている所から平気で奥に突っこんだり、逆にビビってショートしたり......。
「アマチュアゴルファーのなかには、正確なピンまでの距離を知らないまま打つ人が多いですね。だから、無駄に力んだり、逆に弱く打とうとして手首がゆるんだりするんです。まずは距離測定器などを使って、ピンまでの正確な距離を把握しましょう。また、距離を力やスイングスピードで調整しようとする人も多いですが、それは大きな間違い。距離はウェッジの振り幅で調整します。一定のスピードで、かつスムーズにスイングし、自分の振り幅と飛距離を身体に覚えさせればいいんです」
まずはこのアドバイスを頭に入れて、練習に励んでみてほしい。
ウェッジに限らずクラブのグリップを目いっぱい長く持っている人がいるが、「特にウェッジは少し短く持ったほうが振りやすい」と宮里プロからのアドバイス。これはアメリカでの経験によるものだという。女子プロのなかでも、特にショートゲームに定評がある宮里プロが語る極意。ぜひとも実践してみてほしい。
「スイングスピードは一定のまま、ウェッジの振り幅で距離を調整します(決してスイングのスピードや力ではありません)。まずはスリークオータースイング、ハーフスイング、フルスイングの3段階で打ち、その時の飛距離をチェック。先述の2本のウェッジ(例:52°と58°)で練習して距離感を摑めば、どんな状況でも対処できるようになります」。
文:POW-DER 写真:池田佳史(mo'better) 2021年撮影