2022.08.27

ウェッジで30~70ヤードを打ち分けるコツ──宮里美香プロの極意02

宮里美香プロ
宮里美香プロ

100ヤード以内のショットは、スコアメイクするうえでキーポイントになるが、当然、高いスキルも要求される。そんな大事なショットのコツを、宮里美香プロが伝授する。

まずはピンまでの正確な距離を把握

宮里プロはボールのライが良好である限り、「距離の打ち分けは簡単」だと言う。しかし、アマチュアゴルファーはフェアウェイのグリーン手前、残り100ヤードを切っている所から平気で奥に突っこんだり、逆にビビってショートしたり......。

「アマチュアゴルファーのなかには、正確なピンまでの距離を知らないまま打つ人が多いですね。だから、無駄に力んだり、逆に弱く打とうとして手首がゆるんだりするんです。まずは距離測定器などを使って、ピンまでの正確な距離を把握しましょう。また、距離を力やスイングスピードで調整しようとする人も多いですが、それは大きな間違い。距離はウェッジの振り幅で調整します。一定のスピードで、かつスムーズにスイングし、自分の振り幅と飛距離を身体に覚えさせればいいんです」

まずはこのアドバイスを頭に入れて、練習に励んでみてほしい。

ウェッジで打ち分ける極意

ウェッジのグリップは少しだけ短く握る!

ウェッジに限らずクラブのグリップを目いっぱい長く持っている人がいるが、「特にウェッジは少し短く持ったほうが振りやすい」と宮里プロからのアドバイス。これはアメリカでの経験によるものだという。女子プロのなかでも、特にショートゲームに定評がある宮里プロが語る極意。ぜひとも実践してみてほしい。

宮里美香プロがウェッジの握り方を伝授。
宮里プロの場合、ウェッジをワンフィンガー(指1本分だけ)短く握るのが基本。こうすることでスイングがスムーズになり、また無駄に力むことがないという。

ウェッジの振り幅で距離を調整する

「スイングスピードは一定のまま、ウェッジの振り幅で距離を調整します(決してスイングのスピードや力ではありません)。まずはスリークオータースイング、ハーフスイング、フルスイングの3段階で打ち、その時の飛距離をチェック。先述の2本のウェッジ(例:52°と58°)で練習して距離感を摑めば、どんな状況でも対処できるようになります」。

宮里美香プロのウェッジの打ち分けレッスン。30ヤードの場合。
【30ヤードの場合】9時の位置までテイクバックし、3時の位置まで振って、30ヤードの距離を出している(57°を使用)。アマチュアゴルファーは58°がおすすめ。
宮里美香プロのウェッジの打ち分けレッスン。70ヤードの場合。
【70ヤードの場合】同じく57°のウェッジを使って70ヤードを出す場合は、ほぼフルショット。このようにスイングスピードは一定のまま、振り幅で距離を調整する。アマチュアゴルファーは58°または56°がおすすめ。

肘から先に力が入ってはダメ

宮里美香プロのウェッジ握り方のポイント。
ウェッジをしっかり握ろうとすると、余計な所まで力が入ってしまいがち。特によくないのは肘まで力んでしまい、まるでバレーボールのレシーブのようになってしまうこと! これではスムーズにテイクバックができない。

アドレス時のワッグルは大切な動作!

宮里美香プロのウェッジレッスン。アドレスのポイント。
「ウェッジを握る際、強くてはダメですが、かといってユルユルでもいけません」と宮里プロからのアドバイス。アドレス時にワッグルをしてもグリップが手のひらの中で動かず、手首の動きにヘッドが追従するくらいが目安です。

文:POW-DER 写真:池田佳史(mo'better) 2021年撮影