2022.08.20

「100Y以内はウェッジ2本で十分!」ショートゲームの上達方法──宮里美香プロの極意01

宮里美香プロ
宮里美香プロ

国内外のツアーで活躍する宮里美香プロは、ショートゲームの巧みさに定評がある。そんな宮里プロにショートゲームの重要性や、上達方法について聞いた。

ゴルフは100ヤード以内が勝負!

「8歳から父にゴルフを教わった んですが、ショートコースばかりを回らされたこともあって、自然とショートゲームは上達しました。 ゴルフは"100ヤード以内が勝負!"だと思っています」

その"勝負"に対して、アマチュアゴルファーはどのように対処すればいいのか宮里プロに聞いてみた。

「プロはさまざまな状況に対処するため、いろいろなテクニック(クラブ選びや打ち方のバリエーション)を持っています。でも、アマチュアの方はウェッジだけで十分。角度の違うウェッジを2本揃え、状況に応じて距離を打ち分ければ100ヤード以内はカバーできます。また、その2本があれば、どんなライでも対処できるでしょう」

では、そのウェッジを上手く打つコツはどこにあるのだろうか。

「ウェッジでダフったりトップを打つ人は、バンスをしっかり意識して打っていないからです。他のアイアンに比べて、ウェッジのバンスは広くて滑らかです。そのバンスを芝に滑らせるように打つと、ボールは自然と綺麗な放物線を描いて飛んでいきます。無駄に力んで"打ちこむ"からダフったり、ヘッドが跳ねてトップになったりするんです。距離はあくまでもク ラブの振り幅で調整しましょう。ラフでもバンカーでも同じです」と、ウェッジの極意を教えてくれた。さらに宮里プロのショートゲーム上達方法は続く。

「せっかくグリーンにオンさせても、パッティングがダメでは話になりません。3パットを2パットに収めれば、確実にスコアは縮まるんですから! そのためのコツは"パターを真っ直ぐ引くこと"ですね」と解説してくれた。

ショートゲーム制する3つの極意

1.ウェッジは2本を使い分けるべし!

「ウェッジは汎用性が高く、いろいろなシーンで役に立つクラブです。私は51°と57°の2本を使い分けています」。アマチュアゴルファーは例えば52°と58°を用意すれば、多くの状況をカバーできるという。

2.クラブのバンスをしっかりと意識して打つ!

ウェッジを上手く使いこなせない人は、「クラブのバンスを使っていない」から。練習場で7番アイアンとウェッジを交互に打って、バンスの違いを体感すると、ウェッジのスキルアップに効果があるそうだ。

ウェッジの距離の打ち分け、アプローチ、バンカーショット、そしてパッティングの具体的なコツは、次のレッスン記事でレクチャーする。

プロゴルファー宮里美香プロ。
1989年沖縄県生まれ。父親の影響で8歳からゴルフを始める。アマチュア時代から才能を開花させ、14歳で日本女子アマ選手権を最年少優勝するほか、JGAナショナルチームで多くの海外遠征を経験し、世界を舞台に活躍。地元、興南高校を卒業後、2008年暮れのLPGA最終予選会で一発合格を果たし、'09年から'17年シーズンまで9年間LPGAのメンバーシップを維持する。'10年、'13 年の日本女子オープンに優勝し、当時、最年少で同大会複数回優勝を達成。'12年にはLPGA初優勝も成し遂げ、同シーズンはロレックスランキングで8位、年間獲得賞金ランキングで11位と、自己最高成績を残す。'19年から日本ツアーに凱旋出場すると、2期連続でシード権を獲得し、今日に至る。'19年よりアコーディア・ゴルフと契約。2022年6月から産休中。(2021年撮影)

文:POW-DER 写真:池田佳史(mo'better) 2021年撮影