国内外のツアーで活躍する宮里美香プロは、ショートゲームの巧みさに定評がある。そんな宮里プロにショートゲームの重要性や、上達方法について聞いた。
「8歳から父にゴルフを教わった んですが、ショートコースばかりを回らされたこともあって、自然とショートゲームは上達しました。 ゴルフは"100ヤード以内が勝負!"だと思っています」
その"勝負"に対して、アマチュアゴルファーはどのように対処すればいいのか宮里プロに聞いてみた。
「プロはさまざまな状況に対処するため、いろいろなテクニック(クラブ選びや打ち方のバリエーション)を持っています。でも、アマチュアの方はウェッジだけで十分。角度の違うウェッジを2本揃え、状況に応じて距離を打ち分ければ100ヤード以内はカバーできます。また、その2本があれば、どんなライでも対処できるでしょう」
では、そのウェッジを上手く打つコツはどこにあるのだろうか。
「ウェッジでダフったりトップを打つ人は、バンスをしっかり意識して打っていないからです。他のアイアンに比べて、ウェッジのバンスは広くて滑らかです。そのバンスを芝に滑らせるように打つと、ボールは自然と綺麗な放物線を描いて飛んでいきます。無駄に力んで"打ちこむ"からダフったり、ヘッドが跳ねてトップになったりするんです。距離はあくまでもク ラブの振り幅で調整しましょう。ラフでもバンカーでも同じです」と、ウェッジの極意を教えてくれた。さらに宮里プロのショートゲーム上達方法は続く。
「せっかくグリーンにオンさせても、パッティングがダメでは話になりません。3パットを2パットに収めれば、確実にスコアは縮まるんですから! そのためのコツは"パターを真っ直ぐ引くこと"ですね」と解説してくれた。
「ウェッジは汎用性が高く、いろいろなシーンで役に立つクラブです。私は51°と57°の2本を使い分けています」。アマチュアゴルファーは例えば52°と58°を用意すれば、多くの状況をカバーできるという。
ウェッジを上手く使いこなせない人は、「クラブのバンスを使っていない」から。練習場で7番アイアンとウェッジを交互に打って、バンスの違いを体感すると、ウェッジのスキルアップに効果があるそうだ。
ウェッジの距離の打ち分け、アプローチ、バンカーショット、そしてパッティングの具体的なコツは、次のレッスン記事でレクチャーする。
文:POW-DER 写真:池田佳史(mo'better) 2021年撮影