2023.01.21

ゴルフスイングに必要不可欠な肩甲骨の可動――リカバリートレーニング03

マラソン選手の大迫傑氏のトレーナーを務める五味宏生氏に、ゴルファーのための疲れた身体を回復させるトレーニングを教えてもらった。3回目は肩甲骨の可動を促進する回復トレーニング。【#1】【#2】【#4】※2022年アコーディア・ゴルフ会報誌の掲載記事を再編。

マラソン選手の大迫傑氏のトレーナーを務める五味宏生氏

1.肩甲骨を正しく可動させる

スイングに必要不可欠な上半身の捻転は、肩甲骨から始まる。そこでぜひ実践してほしいのが肩甲骨を正しく可動させるためのトレーニングだ。前方に伸ばした両腕を前から後ろに動かす動作を行うだけなので、ゴルフの練習やラウンド前に繰り返すのがお薦め。スムーズにスイングできるなるうえ、肩こりにも効く。

両腕を肩の高さで、前方に伸ばす("前へ倣え"のポーズ)。その姿勢から両腕を、前から後ろに動かす。肩甲骨の可動を意識するのがポイント。前後6往復行う。

マラソン選手の大迫傑氏のトレーナーを務める五味宏生氏

2.肩甲骨と上腕骨の可動グセをリセット

ゴルフのスイングは同じ動作を繰り返すため、肩甲骨と上腕骨の可動がパターン化しがち
だ。そこで、あえて肩甲骨と上腕骨を複雑に動かすことによって、正しい動きができるようにリセットする。腕を外旋(がいせん)させるという単純な動きに見えるが、実は肩甲骨は多方向に可動し、上腕骨は左右逆回転している。

【1】
横向きに寝て、左腕を右腕の上に重ねるようにして、身体の前に伸ばす。この時、左膝は曲げる。これが基本姿勢。

マラソン選手の大迫傑氏のトレーナーを務める五味宏生氏

【2】
左腕をゆっくりと外旋させ、頭の上まできたら手のひらを外側に返しながら、肘を曲げる。脇がギュッと締まるまで左腕を持ってきたら、手のひらを内側に返して元の姿勢に戻す。これを左右6回ずつ行う。

マラソン選手の大迫傑氏のトレーナーを務める五味宏生氏が伝授するリカバリートレーニング

五味宏生/Koki Gomi
1983年埼玉県出身。日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部委員。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。早稲田大学スポーツ医科学学術院(スポーツ科学修士)在籍中に、はり師・きゅう師・あん摩、マッサージ指圧師の国家資格を取得。日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部委員を務め、主に陸上競技のトレーナーとして選手のケア、リハビリ、トレーニングなど幅広い分野で活動を展開する。また、大迫 傑、小池祐貴、戸田雅稀といった日本トップレベルの陸上競技選手のトレーナーも務め、現在はフリーランスとして活躍。

文:POW -DER 写真:村本祥一