年齢を重ねると関節の可動域が狭くなったり、筋肉が硬くなったりしがち。そこで、国内外のツアーで活躍している渋野日向子プロの元専属トレーナーの斎藤大介氏に、ゴルファーの身体をケアするストレッチを教えてもらった。
腹筋や大胸筋といった、身体の前面を形成する筋肉に効くストレッチ。
「実は股関節まわりや肩など、体幹全体も伸びているため、スムーズなスイングの実現にとても効果があります。また、背中を反らすので、猫背が治って、姿勢が美しくなるというメリットもあります」
「普段の生活ではなかなか伸ばすことができない脇腹の筋肉を伸ばすので、スイングの際に身体の捻転がスムーズになります」
また、肋骨まわりの呼吸筋(横隔膜や肋間筋など)も伸びて呼吸が深まるので、全身に酸素が行き渡って脳も身体もすっきりするという効果もある。
脇の下には「前鋸筋(ぜんきょきん)」と呼ばれる、肩を下げる働きを持つ筋肉がある。これを伸ばし、その働きを高めることで、首〜肩まわりがバランスよく動くようになる。テイクバック&フィニッシュ時に肩がスムーズに回るようになるため、飛距離がアップするでしょう。
背骨の中心にあって12個から成る「胸椎(きょうつい)」の可動を促進するストレッチ。これを行うことで上半身の動きが柔らかくなり、スポーツに欠かせない重心移動や方向転換のスピードがアップする。
「ゴルフにおいては、スイングスピードの向上にとても効果があります」
ゴルフのスイングは、身体を大きく捻転させなければならない。そこで、この側面と背中を伸ばすストレッチが、ゴルファーには必須だ。
「椅子に座って行ってもいいですが、バランスボールに座ることで股関節の可動も促進し、スイングが大きく、滑らかになります」
フィジカルセラピスト・斎藤大介/Daisuke Saito
1985年群馬県生まれ。ファイテンに入社後、プロ野球やプロゴルフなどの企業トレーナーに従事。その後、渡豪し、オーストラリアのAnKゴルフアカデミーに勤めながら、自身の「JAPANESE SPORTS MASSAGE」をゴールドコーストに開業。2019〜2022年まで渋野日向子プロと専属契約をし、現在も多くの選手のトレーニングに関わっている。
文:POW-DER 写真:鈴木克典