2023.04.01

渋野日向子も実践! スイングスピードが上がるストレッチ術

年齢を重ねると関節の可動域が狭くなったり、筋肉が硬くなったりしがち。そこで、国内外のツアーで活躍している渋野日向子プロの元専属トレーナーの斎藤大介氏に、ゴルファーの身体をケアするストレッチを教えてもらった。

渋野日向子プロの元専属トレーナーの斎藤大介氏
米LPGAツアーにフル参戦するには、強い身体が不可欠。海外ツアーを転戦する渋野プロをサポートしていた斎藤大介氏。

1.身体の前面に効くストレッチ

腹筋や大胸筋といった、身体の前面を形成する筋肉に効くストレッチ。

「実は股関節まわりや肩など、体幹全体も伸びているため、スムーズなスイングの実現にとても効果があります。また、背中を反らすので、猫背が治って、姿勢が美しくなるというメリットもあります」

スイングスピードが上がるストレッチ
直径55〜65cmのバランスボールの上に浅く腰掛け、両足を肩幅くらいに開く。
スイングスピードが上がるストレッチ
両手をバンザイするように伸ばしながら仰向けになり、ボールの頂点に背中を乗せる。この姿勢で10秒キープし、3セット行う。
スイングスピードが上がるストレッチ
上記と同様に仰向けになり、今度はボールの頂点に腰を乗せて、より深く反らす。この姿勢で10秒キープし、3セット行う。

2.身体の側面に効くストレッチ

「普段の生活ではなかなか伸ばすことができない脇腹の筋肉を伸ばすので、スイングの際に身体の捻転がスムーズになります」

また、肋骨まわりの呼吸筋(横隔膜や肋間筋など)も伸びて呼吸が深まるので、全身に酸素が行き渡って脳も身体もすっきりするという効果もある。

スイングスピードが上がるストレッチ
バランスボールの上に横向きで上体を乗せ、両手で身体を支える。両足は前後に開きく。
スイングスピードが上がるストレッチ
上側の腕を頭の方に伸ばし、身体の側面を反らす。この姿勢を10秒キープし、左右3セットずつ行う。

3.脇の下に効くストレッチ

脇の下には「前鋸筋(ぜんきょきん)」と呼ばれる、肩を下げる働きを持つ筋肉がある。これを伸ばし、その働きを高めることで、首〜肩まわりがバランスよく動くようになる。テイクバック&フィニッシュ時に肩がスムーズに回るようになるため、飛距離がアップするでしょう。

スイングスピードが上がるストレッチ
脇の下には「前鋸筋(ぜんきょきん)」と呼ばれる、肩を下げる働きを持つ筋肉がある。これを伸ばし、その働きを高めることで、首〜肩まわりがバランスよく動くようになる。テイクバック&フィニッシュ時に肩がスムーズに回るようになるため、飛距離がアップするでしょう。

4.胸と背骨に効くストレッチ

背骨の中心にあって12個から成る「胸椎(きょうつい)」の可動を促進するストレッチ。これを行うことで上半身の動きが柔らかくなり、スポーツに欠かせない重心移動や方向転換のスピードがアップする。

「ゴルフにおいては、スイングスピードの向上にとても効果があります」

スイングスピードが上がるストレッチ
【1】横向きに寝る。両腕を重ねて、前に伸ばす。両足も重ねて、膝は「くの字」に曲げる。【2】次に重ねた上の腕を、背中の後方へ開く。この状態で5秒キープ。左右5回ずつ行う。

5.身体の側面と背中に効くストレッチ

ゴルフのスイングは、身体を大きく捻転させなければならない。そこで、この側面と背中を伸ばすストレッチが、ゴルファーには必須だ。

「椅子に座って行ってもいいですが、バランスボールに座ることで股関節の可動も促進し、スイングが大きく、滑らかになります」

スイングスピードが上がるストレッチ
【1】バランスボールの上に座り、両足は大きく開く。背すじを伸ばし、両手を頭の後ろで組む。
スイングスピードが上がるストレッチ
【2】次に上体を軽く捻り、そのまま横に倒す。その状態で10秒キープ。左右5回ずつ行う。
スイングスピードが上がるストレッチ
【3】次は上体を90度捻り、そのまま横に倒す。その状態で10秒キープ。左右5回ずつ行う。

フィジカルセラピスト・斎藤大介/Daisuke Saito
1985年群馬県生まれ。ファイテンに入社後、プロ野球やプロゴルフなどの企業トレーナーに従事。その後、渡豪し、オーストラリアのAnKゴルフアカデミーに勤めながら、自身の「JAPANESE SPORTS MASSAGE」をゴールドコーストに開業。2019〜2022年まで渋野日向子プロと専属契約をし、現在も多くの選手のトレーニングに関わっている。

文:POW-DER 写真:鈴木克典