2023.03.12

アイアンの飛距離がアップするアドレスの3つのポイント──冨永浩プロの極意04

ゴルファーはいくつになっても、「遠くへ飛ばしたい」という欲求が衰えない。そこで冨永浩プロに、飛距離を出すことを念頭にドライバー、フェアウェイウッド、アイアンで"飛ばす"ショットを伝授してもらった。4回目はアイアン。 ※2021年アコーディア・ゴルフ会報誌の掲載記事を再編。

冨永浩プロのゴルフレッスン

アイアンの飛距離を伸ばした分だけプレーの幅が広がる

アイアンはグリーンを狙った正確なショットを担うクラブ。それゆえ、飛距離ごとに番手が分かれている。

「とはいえ、今まで7Iで載せていたホールを8Iで乗せることができれば、クラブ選択の幅が広がります。その分だけコースマネジメントが優位になります」と、アイアンの飛距離アップの有効性を挙げる冨永プロ。

また、飛距離アップはゴルファーに満足感や、プレーする喜びを与えてくれる。

「アドレスを少し変えるだけで、アイアンの飛距離は伸びます。ただし、飛ぶボールは止まらないということもお忘れなく。そもそもアイアンは飛ばすクラブではありませんので、飛距離アップはあくまで選択肢のひとつであると認識しましょう」と、冨永プロはアドバイスする。

1.右向きスタンスでアイアンの飛距離を簡単にアップ

アイアンの飛距離を伸ばすために、まずはアドレスを変えてみるのがお薦めだ。

「目標に対して、少しだけ右に構えましょう。すると右へ飛んでしまうと恐れてしまいますが、ヘッドを目標に向かって振り抜けばまっすぐ飛びます」

いわゆるクローズドスタンスから強く振り抜くことで、飛距離が伸びる。ただし、スイングの際、両肩を結んだ線や腰は右を向かないよう注意!

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約5〜10cmほど、右足を後ろに下げる。慣れないうちは右に飛ぶかもしれないが、両肩や腰を目標に向ける意識で振ると力強い球が打てるようになる。

2.いつもよりボールを右に置く。これだけでも飛ぶボールが打てる!

スタンスを変えたら、次はボールの位置も変更。センターから右足に寄せていくことで、より強いインパクトが生まれる。

「ボールの位置を変えるテクニックは、プロの試合でも多用されています。アゲインストの際など、低く打ちだし、距離も稼げるショットが打てるのです」と、冨永プロ。

冨永プロ自身もボールの位置を、考えながら変えているそうだ。まずは練習場からその効果を体感してみるのがベター。

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アイアンのクリーンヒットは、通常であればボールの位置とフェースの角度は左側の写真くらい。番手通りに上げて止める場合は、こちらのパターンで打つ。それに対して飛距離を出したい場合、また低くて強いボールを打ちたい場合は、右の写真のようなボールの位置にして打つ。ハンドファーストで構えれば、自然とフェースが起きる。

3.フェースを起こせば、一番手上の飛距離と低くて強い球が打てる!

ドライバーやフェアウェイウッド同様、アイアンの飛距離アップにもきちんと当てることが重要。インパクトの際、クリーンにヒットすることはもちろん、フェースを起こして当てることで強く飛ぶボールが生まれる。

「番手をひとつ上げるのと同じ理屈ですが、立てたフェースからは風に負けない低くて強いボールが打てるのです」

ただし、止まりづらいボールになるので、使う場面を選ぶ必要がある。

【ONE POINT】飛ばしたければ性能の良いボールを!

冨永プロは「これだけ道具が進化しているのですから、飛ぶと言われるボールに頼ることもお薦めします」とテクニックとは別のアドバイスも。

「昔に比べ、ボールの進化は目を見張るものがありますね。好みもあるかもしれませんが、比較的硬いボールの方がフェースにより反撥してくれるので、結果として飛んでくれます」

とはいえ〈飛ぶボール=止まらない〉ので、自分のプレースタイルに合わせてボールを選ぶのがお薦めだ。

冨永 浩/Hiroshi Tominaga
1961年東京都生まれ。10歳でゴルフを始め、成城大学卒業後にゴルフ研修のために渡米。'85年にアマチュアで全米オープンに、さらに同年の全米アマチュア選手権に出場する。プロ転向後はカナダツアーや豪州ツアーに参戦。2011年からはPGAシニアツアーに戦いの場を移し、現在はゴルフネットワークの解説者としても活躍中。

文:石橋寛 写真:池田佳史 撮影協力:成田ゴルフ倶楽部