2023.03.04

トップとダフりをなくす! フェアウェイウッドのコツを伝授──冨永浩プロの極意03

ゴルファーはいくつになっても、「遠くへ飛ばしたい」という欲求が衰えない。そこで冨永浩プロに、飛距離を出すことを念頭にドライバー、フェアウェイウッド、アイアンで"飛ばす"ショットを伝授してもらった。3回目はフェアウェイウッド。 ※2021年アコーディア・ゴルフ会報誌の掲載記事を再編。

フェアウェイウッドとゴルフボール/冨永浩プロのゴルフレッスン

刻むのではなく、攻めるという選択肢を持つ

ドライバーとともに、フェアウェイウッドの飛距離が伸びれば、ロングホールや長いミドルホールでもツーオンが狙える。すると、コースマネジメントに余裕が生まれる。

「フェアウェイウッドもドライバー同様しっかり振って、きちんと当てれば飛距離が出ますよ」

しかし、コースには斜面や起伏があるため、トップやダフりなどのミスが生まれてしまう。

「フェアウェイウッドを正確に打ち抜くには、"ヘッドがどう当たったらキレイに飛んでいくのか"をイメージすることが大事です」と冨永プロはアドバイスする。

今回はミスの傾向別に、ボールをしっかり捉えるスイングを伝授。スムーズにクラブを振り抜いてトップやダフりをなくせば、ロングホールやミドルホールが得意になるはずだ。

飛距離アップにはシャフトを交換するのもあり!

フェアウェイウッドの飛距離が伸びると、ロングホールのセカンドショットでツーオンできるようになる。また、グリーン手前にバンカーや池がある場合は、リスクを避けてグリーンの奥にボールをのせることも可能に。

今までは"ギリギリ"でプレーしていたゴルファーが、余裕を持ってスコアメイクができる......これがフェアウェイウッドの飛距離アップの最大のメリットだ。

ゴルフ場のイラスト/冨永浩プロのゴルフレッスン
ツーオンだけでなく、フェアウェイ上のバンカーやクリークを避けたい時でも「刻むのではなく、攻めるプレーができるようになります」と冨永プロ。

トップ対策は、左足荷重にするだけ!

斜面や起伏が連続するコース上では、フェアウェイウッドはトップになりがち。

「トップ気味のミスが多いゴルファーは、右足に体重が乗りすぎている傾向があります。そこで、左足に乗せる意識を持ってスイングしましょう。また、ボールを捉えた時にヘッドが最下点に到達するよう、ヘッドの軌道はアッパーめに振り抜くことも効き目があります。ボールの位置は、左足の踵よりボール2個分内側が基本です」

冨永プロのゴルフスイング/冨永浩プロのゴルフレッスン
体重を右足にかけすぎていると、ライによってはヘッドが上から入ることになり、ソールを滑らせたスイングにはなりづらい。
冨永プロのスイング解説/冨永浩プロのゴルフレッスン
そこで、アドレスでは左足に体重を乗せることを意識して、ボールを左足の踵からボール2個分内側に置く。そこからアッパーめに振り抜くのだが、ボールを迎えにいくようなスイングにならないよう注意。

アッパーめにスイング! ダフりはこれで解消

アイアンでのクセが出てしまうのか、フェアウェイウッドでダフってしまうというゴルファーは少なくない。

「上からドンとダフるのと、下からザックリではミスの種類が違います。どちらの場合も左足に体重を乗せすぎであることがほとんどです。むしろ体重は軽く右足に乗せ、体重の乗せ方に注意してソールを滑らせるスイングを意識しましょう。また、しっかり振り抜くことも共通して重要です」

ゴルフスイング解説/冨永浩プロのゴルフレッスン
ダフるパターンは2つ。①のようにボールの上からクラブとドンッと落としてダフる人。②は逆にボールの手前にヘッドがザックリと入ってしまう人。どちらも体重を左足に乗せすぎから起こるミスです。
ゴルフスイング解説/冨永浩プロのゴルフレッスン
右足に体重が乗り、クラブの最下点でボールを打てるスイング。手前からダフることなく、ヘッドをまっすぐ振り抜くことができる。
ゴルフスイング解説/冨永浩プロのゴルフレッスン
ボールの位置は左足寄り(踵の内側)で、スイングはインサイドインを意識。「フェアウェイウッドはソールが滑ってくれるので、アッパーめに振り抜く意識が大切です」。

また、クラブのシャフトを替えてみるのも、飛距離アップには効果的な方法だ。冨永プロによると「柔らかいシャフトはしなって球が曲がるというのは誤解です。最近の若いプロたちはしなりを利用してボールを飛ばすため、柔らかめのシャフトを選ぶ傾向にあります」という。そんな冨永プロの言葉どおり、いつもより柔らかめのシャフトに交換してみるのもお薦めだ。

冨永浩/Hiroshi Tominaga
1961年東京都生まれ。10歳でゴルフを始め、成城大学卒業後にゴルフ研修のために渡米。1985年にアマチュアで全米オープンに、さらに同年の全米アマチュア選手権に出場する。プロ転向後はカナダツアーや豪州ツアーに参戦。2011年からはPGAシニアツアーに戦いの場を移し、現在はゴルフネットワークの解説者としても活躍中。

文:石橋寛 写真:池田佳史 撮影協力:成田ゴルフ倶楽部(アコーディア・ゴルフ)