2022.10.18

【ZOZO CHAMPIONSHIP】アコーディア・ゴルフ習志野CCで開催!

2022年10月13日(木)〜16日(日)、アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブで、世界最高峰のゴルフトーナメントPGA TOURの「ZOZO CHAMPIONSHIP」が開催された。最後の最後まで勝負の行方がわからない接戦に大いに盛り上がりを見せたトーナメントを振り返る。※GOETHE WEBの提供記事。

ZOZO チャンピオンシップ2022を制したキーガン・ブラッドリー。
ZOZO チャンピオンシップ2022を制したキーガン・ブラッドリー。

接戦を制した全米プロ覇者・キーガン・ブラッドリー

日本で唯一開催されるPGAツアートーナメント「ZOZO CHAMPIONSHIP」が2022年10月13日(木)〜16日(日)、千葉県のアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブを舞台に開催された。

2019年に行われた第1回大会を制したのはタイガー・ウッズ。世界最高峰のプレーに習志野は熱狂の渦に包まれた。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて米国カリフォルニア州での開催となり、パトリック・キャントレーが2代目王者に輝き、2年ぶりに舞台を日本に戻し行われた2021年大会は松山英樹が最終ホールの劇的イーグルで3代目王者に輝いた。

そして迎えた第4回大会。舞台はこれまでと同じくアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブ。今まで以上の最高のコンディションを整えてPGAツアーの選手達を迎えた。戦略性の高いレイアウトと、隅々まできめ細かく整備されたコースにPGAツアーの選手達からも絶賛の声が聞かれた。また、今回初めて「ZOZO CHAMPIONSHIP」に出場した日本人選手達にとっても、ここが日本のコースかと錯覚したに違いない。アコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブが持つポテンシャルの高さをPGAツアーが証明し、選手達の持つ技術を存分に引き出してくれた。

最後の最後まで勝負の行方がわからない接戦を制したのは全米プロ覇者のキーガン・ブラッドリーだった。

最終日は最終組のリッキー・ファウラー、アンドリュー・パットナム、そしてブラッドリーの3人による三つ巴の戦い。序盤先手を取ったのはパットナム。1番、3番とバーディを重ね、この時点で単独トップに躍り出る。

今大会で最も多くのギャラリー、そして声援を集めていたのがリッキー・ファウラーだった。彼のトレードマークでもあるオレンジカラーのウェアを身に纏ったギャラリーが多く駆けつけ声援を送っていた。

ただ、この日は単独トップでスタートしたもののファウラーの日ではなかった。ショット自体の調子はそれほど悪くはなかったが今ひとつピンに絡まなかった。チャンスとは言いづらいパットで何度かカップをかすめる場面はあったが、あとひと筋ラインの読みがずれていた。最大のチャンスは15番ボギーの直後の16番パー3。15番のボギーで首位のブラッドリーとは2打差がつき絶体絶命の状況の中で放たれたティショットはピン手前2m弱につくスーパーショット。ブラッドリーがこのホールでボギーを叩いたため、このバーディパットを決めれば、ブラッドリー、パットナムと共に首位タイに並ぶ状況だった。ただ、このチャンスも活かすことができなかった。

序盤勢いがあったパットナムもバックナインは伸び悩む形。対するブラッドリーは、17番ホールでダメおしとも言えるバーディを奪い、熱戦に終止符を打った。

ブラッドリーは1986年生まれの36歳。2011年のメジャー・全米プロゴルフ選手権を制すなどこれまで4勝を挙げていたが、ここ数年は不審に喘いでいた。ただ、2019年にここアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブで行われた第1回大会でウッズと最終組で優勝争いを演じた際に「ここで勝ちたい」と刺激を受けた。約5年ぶりとなる復活優勝を遂げた日本は彼にとって特別な場所になったに違いない。

連覇を期待されたディフェンディングチャンピオンの松山英樹は背筋痛の影響もあり40位タイで4日間の大会を終えている。

若手プロの躍動にも注目! 中島啓太&久常涼12位

また、今回は日本の若手の躍動にも注目が集まった。20歳の久常涼、22歳の中島啓太は共に12位タイ。次戦の出場資格を得られるトップ10を逃し、ホールアウト後は涙が止まらなかった久常。この悔しさは近い将来必ず身を結ぶはず。そのほか、桂川有人、河本力、岩﨑亜久竜ら、これからの日本男子ゴルフを背負う面々がPGAツアーを肌で感じ、そして多くの課題を得た。成績を残すことはできなかったが、彼らの表情は輝いていた。

タイガー不在や松山の不振などで盛り上がりが欠けるなどといった声も聞かれたが、決してそんなことはない。PGAツアーの規模感の大きさやホスピタリティの素晴らしさ、そして選手達のファンサービスなど、どれをとっても今の日本では感じることができないものばかり。少なくとも現場に足を運んだギャラリーは大満足で日本で開催される唯一のPGAツアーを堪能したのではないだろうか。

文:出島正人 写真:AP/アフロ