池を意識してチョロ、「飛ばしたい！」でスライス... 力みやすいパー3やパー5のティーショットでミスしない方法

池が見えた瞬間に力んでチョロ...。「ここは飛ばしたい！」と思った途端にスライス...。そんな"ゴルフあるある"を経験したことはないだろか。パー3やパー5のティーショットは、どうしてもプレッシャーがかかりミスが出やすい場面。今回は、そんな緊張しやすい場面でも自然体で振れて、スコアアップにつながる考え方とコツを紹介する。【吉田洋一郎コーチの最新ゴルフレッスン】

「期待しすぎない」ことが、力みを消す最初の一歩

パー3やパー5でミスが出やすい根本的な理由は、"良い結果を期待しすぎてしまうこと"だ。

パー3では「ワンオンしてバーディーを狙いたい」、パー5では「ドライバーで飛ばしたい」と考えると体は緊張し、スイングの再現性が低下する。

スポーツメンタルの世界では、未来の結果ではなく"今この一打"に意識を置くことが重要だと言われている。

ゴルフも同じで打つショットに意識を向け、「うまくいけばラッキー」くらいの気持ちで振るだけでも余計な力が抜けて、自然なスイングが出やすくなる。

それでも力んでしまうときは、体をリセットする簡単な方法をためしてみるとよい。

力みは上半身、とくに右利きなら右手・右腕に出やすく、切り返しで上半身から動き出すと手打ちにつながる。そこで、目標方向に軽く左足を踏み出しながら素振りを行い、下半身から動き出す感覚を持つ。

そうすることで、体の連動が整ってスムーズなスイングになるはず。ティーショットを打つ前のルーティンとして、この素振りを取り入れると効果的だ。

パー3は「狙わない勇気」がスコアを守る

パー3はピンがはっきり見える分、「バーディーを取りたい」「ホールインワンも...」と、つい欲が出やすいホールだ。でも、その気持ちこそがプレッシャーになり、ミスを招く原因となる。

ここでの正解はとてもシンプル。どんなピン位置でも"グリーンの真ん中"を狙うこと。

「とにかくグリーンに乗ればOK」と考えるだけで、心理的な負担が軽くなる。さらに、普段よりひとつ大きめの番手を選び、力は7割くらいのコンパクトなスイングを意識すると方向性が安定しやすくなる。

パー3は「攻めるホール」ではなく、「守るホール」。「狙わない勇気」がスコアメイクの鍵だ。

パー5は「5打のうちの1打」と思うだけでラクになる

パー5では「ドライバーで飛ばしたい」「バーディーを取りたい」と気合が入りがちだが、これが力み原因となる。

ここで効果的なのは「3打目から逆算してプランを立てる」考え方だ。

自分の得意な距離を3打目に残すことを意識すると、ティーショットで無理に飛ばす必要はなく、「フェアウェイに運べれば十分」という気持ちで振ることができる。

また、ティーショットを「5打のうちの1打」と捉えるだけでも心理的な負担が減り、結果的に力が抜け、飛距離が伸びることさえある。

パー5は「飛ばすホール」ではなく、「つないでスコアを積み上げるホール」と考えることが、安定したスコアにつながるはずだ。

大事なのは「目の前の一打に集中すること」

パー3でもパー5でも共通して大切なのは、結果への期待を手放し、目の前の一打に集中することだ。

プレッシャーのかかる局面ほど、考え方や攻め方を少し変えるだけでミスは減り、ショットの質も向上する。意識を少し変えるだけで、普段通りのスイングができるようになり、自然と良い結果が出せるだろう。

◼️吉田洋一郎／Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

文：吉田洋一郎