2025.10.24

柔らかい砂、濡れて硬い砂、目玉...バンカーショットは砂で構えと打ち方を変える

バンカーは、多くの初心者ゴルファーにとって最大の難所だ。ボールが砂に沈んでしまうと、「出せるかな...」と不安になる人も多いだろう。しかし、バンカーショットはコツさえつかめば意外と簡単に脱出できる。ポイントは、砂の"質"に合わせて構え方と打ち方を変えること。本記事では、柔らかい砂・硬い砂・目玉など、それぞれの状況に応じた構え方と打ち方のポイントを詳しく解説する。【吉田洋一郎コーチによる最新ゴルフレッスン】

柔らかい砂、濡れて硬い砂、目玉...バンカーショットは砂で構えと打ち方を変える

失敗しないバンカーショットの構え方と基本フォーム

バンカーは「砂」という特殊なライから打つため、成功のカギは正しいアドレスにあります。特に砂質によって構え方を変えるのが、初心者でもできるバンカー克服の第一歩です。

柔らかい砂での構え方

クラブのバウンスを使うためにフェースを開きます。スタンスはスクエアに構え、ボール位置は左足かかとの延長線上。ボールの手前の砂ごとふわっと飛ばすイメージで構えましょう。

硬い砂・目玉ライ(ボールが埋まっている場合)での構え方

フェースを開かずスクエアのまま構えます。ボール位置はスタンス中央。上から鋭角に打ち込みやすい体勢を取るのがコツです。

砂質を見極めて構えを変えるだけで、脱出の成功率は格段にアップします。

フェースの開き方でミスを防ぐ! 正しい順番と角度の目安

柔らかい砂や通常のライでは、フェースを開くことでバウンスが砂の上を滑り、クラブが深く刺さるのを防ぎます。

ポイントは、「フェースを開いてからグリップする」こと。 先にグリップしてからフェースを開くと、インパクト時にフェースが戻ってしまい、トップやダフリの原因になります。正しい手順は以下の通り。

  1. クラブを地面と平行になる高さに持ち上げる。
  2.  フェース面を確認し、ターゲットより少し右を向ける。
  3. その状態でグリップする。

右打ちの場合、クラブヘッド先端(トゥ)が時計の1〜2時方向を向く程度が目安です。 開きすぎるとボールが高く上がりすぎて距離が合わなくなるので、軽く開く程度から始めましょう。

砂質別・バンカーショットの打ち方|柔らかい砂・硬い砂・目玉ライ編

バンカーショットの基本は、ボールの手前の砂ごと飛ばすこと。ボールを直接打たない意識を持つだけで、ダフリやトップのミスを大幅に減らせます。

ここでは砂のタイプ別に、打ち方のコツを紹介します。

柔らかい砂

クラブが潜りやすいので、大きめのスイングでフィニッシュまでしっかり振り抜きます。

打点はボールの手前3〜5cmを狙い、砂を「打ち込む」のではなく「滑らせる」イメージ。これでふわっと高い球が打てます。

硬い砂

クラブが跳ねやすいため、フェースをスクエアにしてリーディングエッジから砂にコンタクト。
ボール手前1〜2cmを狙って鋭角に打ち込み、フォローは取らずその場で止める意識を持ちましょう。

目玉ライ(ボールが埋まっている場合)

強めの打ち込みが必要です。フェースをスクエアに構え、ボールのすぐ後ろにリーディングエッジを叩き込みます。

バックスイングは大きく、インパクトでしっかり砂を飛ばす意識を。スピンがかからず転がるため、ランを計算に入れて打ちましょう。

砂質に応じた構えと打ち方を身につければ、バンカーは怖くありません。次のラウンドでは、「砂の状態を読む」ことから始めて、自信を持ってバンカーからグリーンを狙いましょう。

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978
年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

文:吉田洋一郎 写真:小林司 協力:取手桜が丘ゴルフクラブ

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