2024.09.08

ゴルファーのための爪ケア【実践編】

最近、爪の重要性に注目しているアスリートが急増中。そこで爪管理士の三和田 恵さんに、ゴルファーのための爪ケアについて教えてもらった。実践編。#前編「知られざる爪のパワー」

1.手の爪のケア

爪は短く切りすぎないこと! 下の写真のような"指先ギリギリ"が理想だ。爪切りやヤスリで整えよう。

正しい手の爪の長さ

爪は少しずつ切る

長く伸びてしまった爪は、刃がストレートの爪切りを使って切る。

注意するのは爪の端っこから切るのではなく、中央より少し横から切り始めること(下のイラストを参照)。

1本の爪を5~7回に分けて切るように。切った後はスポンジタイプのヤスリで、切り口を滑らかに仕上げる。

爪の切り方
イラストの順番のように、少しずつ数回に分けて切っていく。それを繰り返して、爪全体の長さを整える。
正しい爪の切り方
1.まずは爪の中央から外れた縁辺を、斜めに切る。爪を切る指を、親指で支えながら切っていく。2.縁辺をヤスリがけしたら、爪の表面の端にもヤスリを当てて、形を整える。3.反対側の縁辺を、爪の中央から斜めに切りる。この時も親指でしっかり支えること。3.最後に爪の中央を切る。これを数回繰り返して、長さを整えるようにする。

ヤスリがけは優しく丁寧に

爪は3日に一度のペースでのお手入れが理想的。そうすると、切る(短くする)長さが1ミリ以下になるので、ヤスリを使うのがお薦め。

利き手の爪をヤスリがけする場合は、ヤスリではなく、指(爪)のほうを動かすのがポイントだ。

1.ヤスリがけする爪の指を、親指で支える。爪の縁辺に沿って、ヤスリをかけていく。2.縁辺をヤスリがけしたら、爪の表面の端にもヤスリを当てて、形を整える。
ヤスリがけしようとする爪の指を親指で支えないと指先がブレてしまい、爪の先が割れたり二枚爪の原因にもなるので要注意!

お薦めの爪切りとヤスリ

「一般的なグリップタイプのほか、ニッパータイプもお薦め。刃はストレートがいいでしょう」と三和田さん。

また、ヤスリはスポンジタイプが最適で、「"粗い・普通・細かい"の3種類を揃えて、使い分けるといいでしょう」とも。

左:爪切りは切れ味抜群のニッパータイプ(左)と、一般的なグリップタイプ(右)を。右:ヤスリは爪と指先に優しい「O・P・Iプロフェッショナル ファイル」がお薦め。

2.足の爪のケア

基本のケアからゴルファーにとって深刻なトラブルである「巻き爪」を回避・対処する方法を伝授。

つま先(爪)を圧迫しない!

つま先を圧迫すると指先の血流が悪くなり、爪のコンディションが悪化する原因に。

また、伸びた爪の行き場がなくなり、爪に余計な厚みが出たり、爪の表面に横波が出る。

そこで、爪を圧迫しない靴の履き方を伝授。

靴下を履いたら、指の根元をギュッと握る。そして、靴下の先端を軽く引っ張って、指先と靴下の間に空間を作る。
3.靴のかかとを床につけたまま、足を靴の中に入れる。そうすることでつま先を圧迫しない。4.かかとを床につけたまま、靴ヒモを先のほうから締めていき、甲の部分で足を固定する。5.かかとを床につけたまま、靴ヒモを引っ張って結ぶ。つま先に余裕ができればOK。

巻き爪の要因と対処法

「恰幅のよい人は重心が後ろになりがちなので、足の指......特に親指の先が浮いてしまいます。すると、爪に均一に力が加わらなくなるため、爪の両端が巻くことがあります」と注意喚起する三和田さん。

巻き爪を予防するには足の裏全体に体重を乗せ、指先でしっかりと地面を摑むイメージで立つ(歩く)といい。

<要因>後ろ重心

重心が後ろ気味の人は靴の中で、親指が浮いてしまう。すると、爪の両端が丸まりやすくなり、巻き爪になる可能性が増える。

<対処1>テーピング

歩行中に親指に違和感を感じたら、爪の両端が皮膚に食いこんでいるかもしれない。食いこんでいる場所の皮膚をスタートにしてテープを貼って、皮膚(肉)を下げるようにする。

<対処2>お湯を使う

どうしても親指の違和感が軽減しない場合は、お湯で爪をふやかす。水分を拭き取ったら、食いこんでいる爪をピンセットで摑んでそっと広げていく。※爪割れに注意。痛みが激しい場合は、専門医に相談を。

3.割れた爪のケア

プレー中に爪が割れてしまった......という緊急事態も、三和田さん直伝の対処法を行えば心配ない。

テーピングで爪を保護

爪が割れた指先に力が加わると、爪の下の皮膚が刺激され、痛みや違和感を覚えることがある。

そこで、テーピングで割れた爪をしっかりとカバー。爪のサイズに合わせた細い短冊状と、四角に切って角を落としたテープを用意する。

1.テーピングテープを切って、爪をカバーするためのテープを作成。正方形を斜めに切る。2.正方形の対角線で切ると繊維が斜めになるため、細い短冊状でも丈夫になる。
3.おおよそ爪の横幅の長さに切り、割れたところを垂直に横切るように貼る。4.爪の端まで貼ったら、爪からはみ出たテープの余りをきちんと切り落とす。5.指で直に触ると油分が付着し、衛生的によくないので、ビニールなどの上から押さえる。
6.テーピングテープを爪の大きさに、切り取ります。角を落とすと剝がれにくくなる。7.先に貼った短冊状のテープと、爪全体を覆うようにテーピングテープを貼りつける。8.先ほどと同様、ビニールなどの上から押さえ、体温でテープをしっかりと接着させる。

三和田 恵/Megumi Miwata
1991年にネイル業界に入り、2000年からプロ野球選手の爪ケアをスタート。爪管理士®の活動を本格的に始める。現在はスポーツ爪護®アドバイザーの育成に力を注ぐ傍ら、爪ケア製品の開発なども手がける。

文:POW-DER 写真:村本祥一 イラスト:大塚克


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